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写真展『Neighbors』: “As I look for the word of God”

写真展『Neighbors』: “As I look for the word of God”

2021/03/18 | VIDES静岡からのお知らせ

2021年3月11日(木)~18日の間、静岡サレジオ学院の卒業生、鈴木竣也さんが、在日ベトナム人の人々を撮影した写真の展示会を実施しました。

鈴木さんのプロフィール
鈴木さんは、静岡サレジオ中学を卒業後、ニュージーランドの高校に進学され、人々の触れ合いの重要性を実感し、世界観の広がりを感じたとのことでした。
その後、日本のご両親がベトナム人の方を、職場に受け入れていらっしゃるのを見て、鈴木さんにとってベトナムの方々が身近な存在になったとのことでした。
鈴木さんは、自分が見た現実を人々に伝え、それに共感してくれる人々と出会っていくことの素晴らしさにも気づき、写真を撮ることを始められたとのことです。
また、彼は移り変わりの早い世の中で、自分が好きなものに固執して、それを写真におさめるのではなく、変化する現状と常に向き合うことも、大事にされていると、お話されていました。

(廃棄されて使われてないだろうと思っていた車達も、実はまだ利用されていた。 自分の見ている世界を自分の尺度で計ると、見誤ることがあるという自分への教訓として展示している。)

そして、彼は専門学校の先生に、自分にとって「撮れた!」と思えた瞬間の感覚を磨くように教わったとのことでした。
彼の展示会スペースの真ん中には、聖書の言葉が入った写真集があり、それは彼に「撮れた!」と思わせた感覚を与えたと思われる、聖書の言葉も載せてありました。

『Neighbors』に込められた意味
鈴木さんは、展示会に込められたタイトルへの思いについても、語ってくれました。
展示会の部屋のスペースは、ドアを入って、左から円形に回っていくと、そのストーリーが分かるように設置されています。

まず入って左には、日本で支援者に出会い、友達に恵まれ、静岡で生活していたベトナム人の方々の写真が並んでいました。
その後、少し壁に沿って右に進むと、少し険しい顔をしたり、下を向いているベトナムの人々の姿があり、彼らが日本で苦しみ、場合によっては母国へ帰らなくてはいけなくなった人々の姿があります。

そして、最後にさらに右に進むと、鈴木さんが触れ合った東京近郊のベトナムの共同体の姿があり、日本で困難を経験しながらも、共同体の中で一緒に生きるベトナムの方々のたくましい姿があります。

以上の3つの段階を経て、最後には、光を透過させた、ポートレートのオブジェクトがあります。
私たちによって、「近くの人」(Neighbors)は、その存在に気付かれたか、もしくは見て見ぬふりをされたかによって、全くことなる人生を送ることになります。
この展示会で分かるように、ある人は日本で元気に暮らし、ある人は母国に帰らざるを得なくなってしまいました。
私たちのNeighborsへの接し方が問われる展示の仕方だと感じました。

As I look for the word of God
鈴木さんの写真展を通して、私たちはベトナムの人々の日本での現実だけではなく、その内容を通じて、写真の持つ力も感じることができます。
例えば、以下の写真は、東京タワーの近くの施設で撮られた写真とのことです。
二人の男女の前には、洗濯ものがアップで写っており、左側にはライトでまみれてきらびやかな高層ビルが建っています。
一見、東京の真ん中にある場所であるとは想像できません。
しかし、そこにはベトナム人の人々が暮らしており、都市に暮らす私たちの見えない弱点のようなものを、見せてくれるもののように思います。

一つの現実を目の前にして、それを単なる偶然目にした事実として扱うのは簡単なことです。
しかし、それを写真におさめるような気持ち、すなわち自分の課題として、関係することとしてきおくに留めようとする意識が、これからとても大事になるスキルであり、感覚なのだと思います。

物質的には、私たちはとても豊かになりました。その中で消費行動もそれに伴う社会効果や、倫理性が、良く問われるようになっています。それは写真が撮る現実のように、自分が今生きている世の中に対して責任を持って、自分のできることを見つけていく力が、必要とされているあかしだと思います。

“As I look for the word of God”は、鈴木さんの写真集の最初に書かれていた言葉です。
自分が見た事実を、神様の言葉を探しているかのようにしっかりと見つめ、捉えようとすることは、写真の魅力であり、鈴木さんが何よりも大事にされていることなのだと感じました。

最後に、展示会で実際に扱われている方々のインタビュー動画を、載せさせて頂きます。