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VIDESのSAD(Distance Support)- 2022年世界大会

VIDESのSAD(Distance Support)- 2022年世界大会

2022/07/14 | VIDES

VIDES Internationalは、SAD (Sostagno a Distanza)と言い、自分の国から離れた国に対するボランティアを実施しています。
実施する国は、NPOやNGOとしての登録を自国で実施し、政府機関からの税控除対象を獲得した上で、受け入れ者、対象国、協働パートナーを決めていきます。

その協働するパートナーが、他の団体となり、VIDES Polandのように、支援金を多くもらえることもあります。
また、VIDES側が主催ではなく、協働者の周り、他の団体の支援をすることもあります。
その場合は、Civil Serviceと言って、政府から派遣されたプロジェクトのサポーターとして参加します。

・SADの狙い-Reciprocity
アフリカ、ラテンアメリカ、アジアを中心に、教育関連の支援を多く行っています。
VIDESは、その歴史において、国際連合の人権理事会などの影響や、ドンボスコ、マリア・マザレロの教育精神もあり、人権という言葉がテーマになることが多いです。

そのため、教育事業が子供たちの人権を守ること、そして現地の発展に対して効果的であることを考慮し、活動を展開しています。
例えば、SADで多くの実績をVIDES CanadaやFranceでは、国内の課題については触れず、完全に国際NGOとして海外での活動に焦点を置いています。
その理由としては、参加する青年たちが、自分たちに対する教育効果も考えているからです。

VIDESのSADの狙いとしては、もちろん派遣先の国々の発展もありますが、参加するボランティアたちに対する教育も含まれています。
今回の世界大会(2022年)のテーマが、reciprocity(受容性)ですが、若い人たちが自分のボランティア体験を通して、現地の状況を知り、しっかりと受け止めることで、自分自身の変化に気づき成長することが、VIDESの目指すreciprocityになります。

・具体例の紹介
①VIDES Canada
3年間の書類審査を経て、政府から国際NGOの認定を受けた上で、活動を展開しています。
主な支援先はマダガスカル、エリトリア、ブラジルなどになっています。
最初にVIDES CanadaとしてSADを始めたのは、ある一人の信徒の女性だそうです。
彼女がVIDES Canadaを国際NGOとして登録し、その上でアフリカの支援を始めたのがきっかけで、カナダの活動はSADとして大きく成長します。

通常の活動は、週末や夏休みに実施されています。
週末は、2020年以降は2回に分けて実施されています。
一つは土曜日に行うオンラインのセッションで、その際に参加者が今何がしたいか、現在課題意識を持っているものは何かなどを共有します。
その後、日曜日に参加できる人が対面で集まり、実際の活動を具体的に決めていきます。

最近の活動として紹介をして下さったのが、エリトリアの難民支援です。
2015年あたりから受け入れをしているとのことでした。
カナダは、中国、フィリピンなどのアジアからの移民、それ以外にも多くの移民を受けいれています。
その関係もあり、多くの国籍のコミュニティがカナダにはあります。
特に、ケベック、モントリオールには多くの共同体があるとのことです。

その中で、初期の不動産の支援や教会での受け入れ、洗礼を受けるまでのサポートなど、多くの点でVIDESのボランティアができることがあるそうです。
こうした包括的なサポートは、VIDESがボランティア組織だからできることもあると思います。

②VIDES UK
今回参加していたのは、4人の若いボランティアと、1名のシスターでした。
4人のボランティアは、23歳が1名と、3名が17歳の学生でした。
学生の全員が、夏休みの期間を使って、VIDESのボランティアに来ていて、VIDESの世界大会の後も、スコットランドで夏のボランティアが企画されているようです。

UKも、基本的に自国内の社会課題に焦点を置くよりも、海外にボランティアを派遣し、そこでの課題に取り組んでいるようです。
アイルランドも同様の形式で、ケニアなどのアフリカの国に対してボランティアを派遣していました。
自国に大きな課題がないわけではないのですが、カナダやフランス(ベルギー)と同様で、自国の青年たちが、自分の成長のためにも海外に出ていくケースが多いとのことです。

VIDES UKとは、グループワークで複数回一緒になりました。
「国際化が進む中で、どのようにして海外で起きていることを自分のこととしてとらえ、若者が具体的な活動をする上での刺激を与えられるか」という問いに対して、グループワークをした際の内容をご紹介します。

例えば、アフリカでは1食約10セント足らずで済ませることができる。(日本円でも12円程度)が、それを自国の経済レベルでとらえると、同じ金額でどのようなものが購入できるか、考えることで、自分の国と、支援をする国との距離感、違いについて考えることができます。

経済だけではなく、文化として自国にはなく、支援先にあるものを前もって見つけることで、自分の国にとってはどんな点を持ち帰れば役に立つかについて、考えることもできます。
UKのメンバーは、若くて組織としても安定しているので、情報交換を続けながら、海外のVIDESの将来を担う人々の活動を参考にできればと思います。

そんな彼らは、VIDES JAPANのカンボジアにあるBosco Sunday Schoolにも英語の指導のボランティアで、来てくれたことがあります。
こうした日本の活動、UKの活動もSADにあたります。

・SADの基本情報のまとめ
-支援国の数、子どもの数
・4056人の支援者
・4327人の子供たちの支援
・39ヵ国での展開

-SADの狙い
①支援国の子供たちの人権を守ること
②支援を実施する青年たちの成長、ボランティアの教育的要素の強調
③様々な国々への国際ボランティアの拡大