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VIDESミドルの活動報告 ~在日外国人と共に生きよう~

VIDESミドルの活動報告 ~在日外国人と共に生きよう~

2021/02/25 | 事務局からのお知らせ

2021年2月21日(日)14時から16時、オンラインによるセミナーを開催しました。
NPO法人 北関東医療相談会 “AMIGOS” の理事・事務局長をしていらっしゃる長澤正隆氏を招き、講演をしていただきました。

VIDESミドルの活動
VIDESミドルでは、ボランティア対象の一つとして、日本で暮らす外国籍の人への支援を考えて活動しています。
今日本には、様々な分野で重要な働き手となっている外国籍の人が多くいます。
彼らは、私たち日本人が当たり前の生活を送るために、日本社会を支えている大切は存在なのです。このような在日外国人の中には、様々な問題を抱え、生活に困窮している方々がいることを知り、支援の方法を考えてきました。

NPO法人AMIGOS様のとの出会い
その中で出会ったのが、長澤正隆氏です。AMIGOSという団体を25年前に立ち上げました。
現在、南浦和に事務所を置き、非正規滞在者及び生活に困窮している外国人への様々な支援を行っていらっしゃいます。
医療相談会を開き、無料健診や個人相談などの支援活動を精力的に行っていらっしゃるなどの話を聞き、私たちVIDESとAMIGOSとは、志を同じくし、協働できると思い、このセミナーを開催することにしました。

長澤氏の講演の中では、具体的に今日本で生活している外国の方々の暮らしを伝えていただきました。
在留資格がないために、医療を受けることができない事例が多くありました。がんが進行してしまい、治療を施そうとした時には、すでに末期がんに侵されていたフィリピン人の男性の事例。出産間近の女性が、通常分娩の医療費を払えず、NPO法人AMIGOSが全額負担した事例。

これらの背景には、「仮放免」の状態で日本に滞在している外国籍の人々の生活が困窮していることがあげられます。
収入がないため働きたいのだが、労働資格がないために、仕事に就くことができず、収入を得られず、そのため、必要な医療も受けることができず生命の危機にさらされているケースが多くあることを知りました。
折しも現在は、COVID-19の影響により、母国に帰ることができず、「仮放免」状態の人々が増えているとのことです。
長澤氏から、想像を絶する困難に見舞われた外国籍の人々の現状を紹介されました。長澤氏の穏やかな語り口から、一人一人を大切に思うまごころと同時に、「誰も忘れてはいけない」という強い信念が伝わってきました。

NPO法人AMIGOSでは、これら外国籍の人々の人権、生命を守ることを最優先し、医療相談会を開き、無料健診などの医療サポートを実施しています。これまでに通算61回2886人の方々を診ていらしたとのことです。
新聞やテレビ番組など各種多数のメディアにも取り上げられ、広く関心を向けてもらう工夫と努力も続けてこられました。しかし、これらの工夫と努力の取り組みを上回るほど、支援を必要としている外国籍の人々が多い現状。
VIDESの我々も、手を差し伸べ、一歩踏み出し、支援を必要としている人の元に駆けつけたいと心の底から突き動かされるものを感じた講演でした。

講演の後、オンラインセミナーならではの「チャットタイム」を設け、zoomのチャット機能を活用して、長澤氏への質問や自由な感想を交流しました。自分事として受け止め、実際に動き出すために助言を求める内容もあり、長澤氏から丁寧な説明や返事をいただきました。

セミナー参加者のご感想を一部ご紹介!

~「一人でも多くの人々を気に掛ける」~
コロナによって仕事や学校がなくなり、不法滞在者となってしまうという現実があることを知ることができました。
このような状況下で一番に弱い存在となってしまう外国籍の人々の存在を一人でも多くの人が気にかけることが彼らの存在を強くすることに繋がると思いました。ありがとうございました。

~「誰も置き去りにしない」~
今日は外国籍移民の現状やAMIGOSさんのされている活動を知ることができ、良い機会でした。誰一人置き去りにしないためにも、まずは近くの人、目の前にいる人に声をかけ、思いやりの心をもってかかわっていきたいと思います。

~静岡からの参加:「手を差し伸べる窓口を作りたい」~
在日外国人の方のために活動されている内容を具体的に知る事が出来ました事は、今関わっている事やこれからの事の参考になりました。静岡でも、外国籍の方は増えており、様々な問題を抱えている方もいます。
小さいですが、私たちの友達を通して相談があり支援する事も増えております。
大きい事は出来なくても、手を差し伸べられる窓口を作りたいと思っております。

~マザーテレサの言葉~
永澤さんが仰っていたマザーテレサの言葉が心に響きました。人助けをするために海外へ,ではない。
日本のしかも身近な所にたくさんの人が苦しんでいる事を認識できました。
滞日外国人と呼ばれる方々や、難民申請の問題、技能実習制度についてなど、日本に滞在する諸外国の方々に関わる問題には日頃から関心を寄せていましたが、東京都内だけでこれほど多くの方々が,日本に居ながら日本人とは区別された生活を余儀なくされている現状を垣間見,本当に心が痛みました。
永澤さんが仰っていた通り,私もこの日本,つまり自分の代名詞と考えてもよい場所で,こんなにも多くの人を人として扱わず,受け入れない,ということが本当に耐え難く感じます。 

今後のVIDESミドルの活動
今後も、オンラインでのセミナーを開催し、今回頂いた皆様のご意見やご感想を基に、次の企画のテーマを考えていければと思います。次回のご案内も、決定次第、連絡をさせて頂きます。
また、オンラインで、日本全国多くの方々とご一緒することができる機会となるため、次回以降はさらに、皆様同士の交流を深める時間が取れれば幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!