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2019年12月、カンボジアボランティアの報告

2019年12月、カンボジアボランティアの報告

2020/08/27 | 海外ボランティア

今年度は、関東からサレジオ会司祭1名とシスター1名を含む5名、関西から5名、計10名が参加。今回のボランティアの任務のひとつである目黒星美学園小学校の児童たちが集めた支援物資を運ぶため、個人の荷物(夏場なので幸い少ない!)以外に、スーツケースいっぱいに物資を詰め込んで出発!

2019年12月26日、それぞれ飛行機を乗り継ぎ、シェムリアップ空港に到着しました。
空港からは、トゥクトゥクに乗って滞在先のBosco Houseに向かいました。
道中、殺風景で砂埃が舞う中に突然、繁華街が現れるなど、予想外に町の一部が近代化している様子に驚きました。

トゥクトゥク乗車の様子

全8日間のスケジュール。さっそく到着翌日から小学校でのボランティアが始まりました。

ポー村小学校

主な活動場所は、シェムリアップのポー村小学校でした。車から降りると、大勢の子ども達が手を繋ごうとしたりハイタッチを求めたりと、初対面の私達に歩み寄ってきてくれました。緊張と不安でいっぱいだった私達は、子ども達の人なつっこさと輝く笑顔に幾度となく助けられました。参加者のほとんどが幼稚園から高校の教員ということもあり、授業では、それぞれの得意分野を活かし、バラエティに富んだ授業を行うことができました。

日本の伝統であるソーラン節の踊り、ボールや大縄を使っての運動、栞や剣玉・福笑いなどの工作、そして音楽など。全ての事に子ども達は興味津々で、一生懸命に取り組んでくれました。活動を通して、子ども達の潜在能力の高さに驚かされました。






ボスコハウスとBosco Bakery School(BBS)

宿泊したゲストハウス“Bosco House”は、オーナーであるピーロンさん一家によって切盛りされています。そこでいただくピーロンさんのお母様手作りのカンボジア伝統料理は本当に美味しく、ついつい食べ過ぎてしまう程でした。

ここでは、BSSで育った近所の高校生の女の子2人が、学校に通う傍ら手伝っていました。彼女たちもいつも笑顔で、私達はすぐに仲良しになりました。

この地には、Bosco House開始以前、2007年にVIDES JAPANと善意ある方々の協力によって、第一にBBSが建設されていました。十数年の歳月を経てパン職人の技を向上させた現地の若者たちが、朝早くからパンを作って、現在は教会や有名ホテルなど様々な場所に配達をしています。その出来たてのパンをいただくことは私達の滞在中の楽しみの一つでした。








Bosco Sunday School(BSS)

Bosco Houseのある建物BICC(ボスコ国際文化センター)では、学ぶ機会が少ない近所の子ども達のためにBSSと呼ばれる日曜学校を開いています。今は、カンボジア在住の日本人女性の先生が授業を引き受けてくださっていました。

ここでも私達は子ども達と一緒に遊んだり、授業に参加したりしました。子ども達がそれぞれの家に帰るとき、いっしょにBSSを出て、夕日を見ながら家まで送りました。この時、彼らが住んでいる家を初めて見ましたが、それは風が吹けば倒されてしまいそうなほど弱々しく、ゴミや排水に囲まれているような家でした。私達が想像もしなかったほど貧しい家に住んではいるけれど、いつも笑顔が輝き、明るく生きる子ども達の姿を見て、本当の幸せとは一体何なのかと考えさせられました。







Peak Sneng Village

滞在中のある一日、シェムリアップから35km離れたPeak Sneng Villageという貧しい村を訪れました。ここではフィリピン人のレイさんが、現地の人に農作物の作り方を教えたり、40年間のローンを組ませて家屋を建て、農業をし、作物を町の市場で売って利益を得るというごく普通の経済生活の営みを教えたりしながら自立支援を行っていました。

この日集まっていた子ども達は、普段は学校に行くこともほとんどできず、美味しいパンを食べることさえもできないという話を聞きました。私達がプレゼントとして持って行ったBBSの食パンを、「オークン(ありがとう!)」と手を合わせて嬉しそうに食べていました。ポー村とはまた異なる現状を目の当たりにし、貧困やその格差について考えさせられました。



愛のポシェットと支援物資

今回のボランティアは、目黒星美学園小学校の子ども達が保護者の協力で作ってくれた「愛のポシェット」や集めた文房具、衣類、生活雑貨などの支援物資を届けるということも大切な目的の一つでした。ポー村小学校、BSSをはじめ様々な場所に届けました。また、参加者の一人の所属教会である奈良の登美ヶ丘教会の方や学校の子ども達からの支援物資やプレゼントも届けました。

この活動に数回参加している人は、数年のうちに、村や学校によって必要な物も違ってきていることを感じていました。支援地の現状とニーズにそって形態や支援物資をすることは、ボランティアをしたいと望む者にとって忘れてはならない姿勢であるということも考えさせられました。





魅力溢れるカンボジア

滞在の最終日には、観光もすることができました。カンボジアのシンボルでもあるアンコールワットをはじめ、その周辺の遺跡郡は、どこを見ても圧巻で、その長い歴史に想いを馳せるひとときとなりました。トンレサップ湖クルーズにも行くことができました。滞在中に新年を迎えるというスケジュールだったので、現地のスタッフの皆さんと一緒に年越しパーティーをして楽しみました。そして、初日の出はアンコールワットで迎えるという贅沢もし、現地の皆さんとの楽しい経験も私達の思い出の1ページになりました。

まとめ

今回のボランティアを通して、私達は様々な視点から物事を考えることができました。日本では当たり前のことが、カンボジアでは全くそうではなく、戸惑ったことも多くありました。何よりもまず、現地に足を運んで自分の目で見てカンボジアの現状を知る事ができたのは、本当に貴重な経験となりました。

また、毎夕、みんなでその日の振り返りを行ったことによって、個人では気付くことができないことにも目が開かれ、現地で出会ったたくさんの子供達のために何ができるのか思いを巡らし考え、行動するきっかけにもなりました。私達参加者は帰国後、それぞれの場所で、まずこの経験を分かち合うことから始めています。

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